八朔神社の大蛇

 上牛尾寺家、笠形神社の大鳥居の近くには、「八朔神社」と呼ばれる小さな石の社があります。

八朔の神様は田の神様で、農業の守り神です。水の恩恵に感謝し、神社では時には雨乞いを行う

こともあったようです。昔は近くに八朔神をまつり、祭礼する神社がなかったため、京都大江町の元伊勢神社で祭礼をしていたそうです。

 明暦四年(一六五八)、雨が降らず大旱魃が起こりました。困った住民は元伊勢神社へ祈願に行き、参拝を終えて帰ろうとすると、

鳥居の上に目を稲妻のように光らせた大蛇がいました。

一同恐れひれ伏し、「八月朔日(一日)、笹囃子の行列を行い、祭礼いたします。」と請願すると、ようやく大蛇は退きました。

その後、毎年九月一日(旧暦八月一日)十三ヶ村による行列が奉納されていたそうです。

 

【ぶらり市川散歩道199ページ 八朔神社】