甘地の瀧水

甘地の積清寺の門前には滝の水と呼ばれている湧水があります。

どんな干ばつの時でも水量は変わりなく年中一定の水が湧き出し、村人の飲料用水として利用されていました。

この滝水には弘法大師と茶たき老婆の伝説があります。その昔、弘法大師が諸国行脚の時、福崎町田口に立ち寄り、のどが渇いたので

七種川で物を洗っていた一人の老婆に飲水を求めましたが、その老婆は断りました。

大師は七種川の水流を渇せんと言って、田口峠を越えて甘地の里を訪れ、同じく老婆に茶を求められました。

老婆は快く茶を与えました。大師はこの恩に報いるために、杖でこの地を打ちました。

するとみるみる清水が湧き出してきて、今日までに及んでいます。

そして、七種川は枯れてしまったそうです。また、弘法大師の石像の西側には、湧水伝説の主の老婆の墓があるといわれています。

『甘地村沿革誌』より

 

【ぶらり市川散歩道 13ページ 甘地の瀧水】