今から四百年ほど昔、豊臣秀吉の天下の頃の話です。
秀吉は、京都に方広寺という大きなお寺を建て、大仏を安置することを計画しました。
そのため、全国から多くの大工やきこりが集められました。
牛尾の村からも緒一郎という人が多くの職人を引き連れて京に出向きました。
ある日、京の中山中納言が飼っている鷹が逃げだしてしまいました。鷹の足には紐が結びつけられていたのですが、
それが御所の高い屋根にひっかかってしまい、飛び立てなくなりました。
皆が困っていると、それを見た緒一郎は下から矢を射り、見事に鷹の足の紐を切りました。
感謝した中納言は緒一郎に牛尾という苗字と、方広寺上棟式の弓矢をおくりました。牛尾の村に
帰った後、その弓矢を埋葬した場所が、「矢塚の森」として今に伝えられています。
【ぶらり市川散歩道 139ページ 矢塚の森】
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