蓮如上人お亀済度の聖蹟

神崎にある蓮如上人お亀済度の聖蹟には、表面に「南無阿弥陀仏」、左右に「元文五甲庚正月二十有五日」と「願主福渡邑念仏講中」

と刻んである大石がおまつりしてあります。

この石は延徳三年(一四九一)蓮如上人が丹波地方を御巡化され、この里でお休みになった時の謂れのあるもので、

「飯森山付近の市川の(ドンド)という淵から、福渡(今の神崎)の雁の巣屋の家内お亀という人が嫉妬の邪心から蛇体になり、

この淵に住んで人を呪って通行人をだましている」という話を郷人に聞かれた蓮如上人が、「現世はこのまま果てても来世は人間となり

仏法を聞き開き往生成仏を遂げよ」教え導かれ、大石さん三世一仏の御尊像を書き、この淵に投げ入れられた。

その翌朝、上人の御教化によって一人の女の人が現れ、西方亀ヶ壺に往生をつげたといわれています。

その後、元文(一七三六~一七四〇年)のころ、ドンド淵の川の中に光るものがあるというので、引き上げると連如上人が書かれた

大石が現れ、このままにしておくと、文字が流れてしまわないかとしんぱいして彫刻してここにまつられたといわれています。

 

【ぶらり市川散歩道 3ページ 蓮如上人お亀済度の聖蹟】