昔、加茂地谷に千代という美しい娘がおりました。父親は村の若者たちに「村の奥の寒門山の頂上に咲いている
金の山ユリを採ってきたものを娘の婿にしたい」と話しました。
しかし、寒門山には大きな白蛇が住んでいると伝えられているため、皆恐れをなしてしまいました。
しばらくすると、美しい若者がピカピカ光る金の山ユリを持って千代の前に現れました。
その若者は毎夜、人目を忍んで会いに来るようになりましたが、これを不審に思った乳母が若者を針で突き刺すと、
若者はもがき苦しみ逃げて行きました。
それを追いかけると、金の山ユリの花が一面に咲く寒門山の頂上でした。そこには昇天した大きな白蛇が横たわっていました。
【ぶらり市川散歩道 64ページ 加茂地谷伝説 金の山ユリ】
異類婚姻譚「蛇婿入り」にあたるお話かと思われます。
加茂地谷から一番近い岡部神社では蛇体であるとされる大物主を祭神としていますが、
大物主は三輪山の神様で、活玉依毘売との逸話は蛇婿入りと共通点の多い話です。
調べてみると面白いお話です。
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